サラサラのたなばたさま

  朝、各クラスから今月の歌『たなばたさま』が聞こえてきます。

「ささのは さらさら のきばに ゆれる おほしさま きらきら きんぎんすなご・・」

 

 この歌は、1941年(昭和16年)に文部省発行の「うたのほん 下」に掲載された歌で83年間歌い続けられてきました。ですから、歌詞の中の『のきばにゆれる』『きんぎんすなご』など若いお父さんやお母さんにはわかりにくい言葉?もでてきます。

 ネットで検索するとくわしく説明されていますから、皆様にはこの歌を歌う子ども達に正しく解説するためにも一度検索されることをお勧めします。

 

 さて、今から58年前のお話です。私はある保育園の年長児でした。先生のオルガンにあわせてこの『たなばたさま』を歌うことになるのですが、私を含む年長組の『しょうから坊主』たちは事前に打ち合わせをしておりました。先生が

「それでは、たなばたさまをうたいましょう。」

とオルガンをひかれ始めます。私たち『しょうから坊主』連合は待ってましたと

「お茶漬け サラサラ・・・」

「こらぁ。だれですか?お茶漬け サラサラって歌ったのは・・・。よしだかぁ・・。」

しょうから坊主連合の中でも、私が一番背が高く先生の耳には私の声がダイレクトに届いたようでした。

なぜか私だけがひとり残され、こってりと油をしぼられました。

 この歌を聞くと、西日の入る年長クラスで暑さに耐えながら下を向いているうち、廊下にポトリ、ポトリとなみだが落ちてきたので、足のうらでこっそりとそれを消したのを思い出します。

 

 子どものいたずらじゃないですか。しかも4人のうち、たった一人残して・・。大きな心でいたずらをサラサラとスルーしてやってほしかったなあ。58年後、園長になってそう思います。

 賀茂保育園は、命にかかわるようなことならともかく、これくらいのことなら、もちろんサラサラですからご安心を。

                                 吉田園長

たなばたかざりも着々と完成中です